2008 Fiscal Year Annual Research Report
教師のライフステージに応じた理科の実践的指導力の形成に関する研究
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19500745
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 敬人 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 准教授 (40284145)
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Keywords | 教師のライフステージ / 理科教師 / 実践的指導力 / 力量形成 / 教員養成 / 現職研修 / Coeaching |
Research Abstract |
4カ年計画の2年目にあたる本年度は、第一に、昨年度に引き続き、教師のライフステージのうち初心期から中堅期に位置する数名の教師を対象として理科の授業実践の観察とインタビュー調査を実施し、彼らがどのような理科授業を価値ある授業だと考え、どのような理科授業の構想と実践を目指しているのか、さらに実践的指導力の向上にとってどのような課題を抱えているのかなどに関するデータの収集と整理、及び分析を行った。その結果、その場その場で子どもの実態や反応などを踏まえた思考や意思決定を行い理科授業を構想し実践していく能力は、教職経験年数とともに向上していく傾向が確認できた一方で、そうした力量の獲得はただ教職経験年数の観点だけで捉えるよりも、その教師の理科授業観の形成や変容とも関係の深い、それぞれの教師のライフヒストリーとリンクさせながら考察する必要があると考えられた。 第二に取り組んだことは、アメリカ合衆国におけるCoteachingに関する先行研究の文献的検討と、現地でのCoteachingに関する調査であった。その結果、Coteachingは、授業の中心的な役割を一時的に他の教師に委ねたり、他の教師が意識的に引き受けたりすることなども含め、一つの授業を複数の教師が責任を共有して実践する方法であり、それ故Coteachingでは、その時・その場・その状況での「行為における省察(reflection in action)」のコンテクストが実現されるとともに、その時・その場・その状況での教師相互の学びが実現される可能性があることがわかった。今後、我が国においても、教員養成の過程にある教師志望学生のみならず、現職教師にとっても、Coteachingの導入が彼らの理科の実践的力量の向上にとって有効かどうかを検討する必要があると考えられた。
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Research Products
(3 results)