2007 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の科学的な思考の芽生えを援助できる保直者を養成する教育に関する研究
Project/Area Number |
19500768
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Research Institution | Minatogawa College |
Principal Investigator |
大森 雅人 Minatogawa College, 幼児教育学科, 教授 (00194308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 容子 湊川短期大学, 人間生活学科, 教授 (00259532)
中西 利恵 相愛大学, 人間発達学部, 准教授 (60237328)
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Keywords | 教育学 / 科学教育 / 保育者養成 / 領域「環境」 / 高等教育 / 幼児期 / 教育方法 / 科学的思考 |
Research Abstract |
幼児期の科学教育に焦点を絞り,幼児の科学的な思考の芽生えを援助できる保育者を育成するための保育者養成教育のあり方を提案すること目的として,平成19年度は次の検討を行った。 i.養成校の学生を対象とした学習に関する意識調査を実施して,学生の科学的な思考の育ちの背景となった高等学校までの学習の実態を,質問紙を用いた調査で把握した。 ii.実態調査の結果を分析して,現状が抱える問題点を明らかにした。 iii.問題点を踏まえて,幼児の科学的な思考の芽生えを援助するため養成校学生を対象とした養成教育のあり方について検討を行った。 調査は,養成校学生の科学に関する「関心・意欲・態度」が十分に育成できているかを明らかにするため,学生の学習者特性について,高等学校普通教科を対象に質問紙によって行った。質問紙は,PISA2003年調査にける数学の学習者の特性と態度の質問紙を参考に,高等学校の普通教科に適用できる16項目からなる質問を設定した。調査対象は,研究代表者及び研究分担者の本務校の学生である。 調査の結果,保育に直接関連する内容が含まれる「家庭」や保育の基礎技能に関連する「芸術」や「保健体育」については,将来に必要と考え同時に得意と考えている学生が多い。しかし,科学教育を担う「理科」については,それが将来の仕事に必要と考える学生の割合は低く,同時にそれを不得意と考えている学生が多い結果となった。以上より,学生の科学に対する「関心・意欲・態度」は現状では十分でなく、課題があることが明らかになった。 そこで学生の科学的思考の育成を目指した教育では,まず理科に対する不得意感を払拭すること,実際は科学的思考が保育の場面において必要なことを理解させること,それらを通じて積極的に科学的思考を学ぼうとする「関心・意欲・態度」を育成することを考慮した教育方法の開発が必要なことが明らかになった。
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