2008 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の科学的な思考の芽生えを援助できる保育者を養成する教育に関する研究
Project/Area Number |
19500768
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Research Institution | Minatogawa College |
Principal Investigator |
大森 雅人 Minatogawa College, 幼児教育学科, 教授 (00194308)
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Keywords | 教育学 / 科学教育 / 保育者養成 / 領域「環境」 / 高等教育 / 幼児期 / 教育方法 / 科学的思考 |
Research Abstract |
平成20年度は,次の検討を行った。 i.前年度に行った養成校学生を対象とした予備調査の結果に基づいて,調査対象を拡大して,学生の科学的な思考の育ちに影響を与える諸要因の実態に関する調査を行った。 ii.実態調査の結果を分析して,養成校学生の科学的思考育成の課題を明らかにした。 iii.課題を踏まえて,幼児の科学的な思考の芽生えを援助するため養成校学生を対象とした教育のあり方について検討を行い,保育内容系と情報系の科目を組み合わせたカリキュラムを開発した。 調査の結果,科学的思考の育成に関連が深い理科に関して,多くの学生が興味関心を待たず,不得意感や不安感を抱いており,さらに理科の学習は自分の将来に必要ないと考えていたことが分かった。 この結果から,科学的思考を育成する教育の課題として,まず科学の学習に対する不得意感や不安感を払拭する必要があること,保育実践には科学的思考が不可欠なことを理解させ積極的に科学的思考を学ぼうとする意欲を育成する必要があることが分かった。 この課題は,ひとつの科目の授業内だけで解決することは難しく,別の解決方法を検討する必要があると考えた。そこで今回新たに情報系の科目を対象として検討を行い,保育内容系の科目1つと情報系科目2つの計3つの科目の授業を組み合わせた,科目横断的な教育内容と教育方法を開発した。 具体的には,「情報演習I・II」と「保育内容環境」の授業を対象とした。科学的思考育成だけを目的とした授業を単独開講することは困難であり,今回開発した教育内容と教育方法は,これら3つの授業本来のねらい達成を目指しつつ,そこに科学的思考育成の内容を盛り込んでいる。「情報演習I」で不得意感を払拭させ,「情報演習II」では保育実践における科学的思考の必要性を実感させ,保育内容「環境」で科学的思考を育てるようにした。 今後,実践を重ねて,教育内容と方法の改善を行いカリキュラムとして確立する予定である。
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