Research Abstract |
本研究は,Web型教材コンテンツの学習支援機能や着想と学習の効果との関連を実証的に明らかにすることを目的とする。そのため本年度(4年計画の初年度)は,下記の研究を実施した。 (1)コンピュータやインターネットなどのICTを組み込んで開発した学習支援用のWeb教材コンテンツについて,その学習支援機能や着想を調査した。具体的には,小・中学校で情報に関する教育を担当している現職教員の協力を得て,学校教育で活用できることを念頭に,インターネット上に提供されている最近のWeb教材コンテンツ54件を選定した。そして,それらのWeb型教材コンテンツの題材をはじめ,内在する学習支援機能や着想,コース展開技法の特徴,教育的な特徴,ネットワークを活用した特徴などの観点で調査し,類別・整理した。 (2)Web型教材コンテンツの学習支援機能や着想による学習の効果を実証的に得るための基礎研究としてドリル型,カード型,パズル型などのコンテンツを試作し,それらを教育の現場で一部試行した。それらの内,Web上でドリル型コンテンツによる地図に関する学習指導を行った事例では,ネットワークを用いて他の学習者とリアルタイムでの競争を行った実験群と,コンピュータとの競争を行った統制群を比較すると,実験群では「長い時間問題を見て,正確に解答する」傾向があった。一方,統制群では「正確な解答よりも,競争時間を短くする」傾向があることがわかった。 (3)Web型教材コンテンツを学校教育で円滑に活用するための基礎研究として,中学生を対象にe-ラーニングシステムを併用した授業を試行した。その結果,生徒はe-ラーニングを抵抗なく受け入れたことや,生徒はコンテンツの制作にもe-ラーニングを用いた学習にも意欲的に取り組んだことがわかった。
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