Research Abstract |
本研究は,Web型教材コンテンツの学習支援機能や着想と学習の効果を実証的に明らかにすることを目的とする。そのため本年度(4年計画の3年目)は,下記の研究を実施した。 (1)流通しているWeb教材コンテンツについて,その学習支援機能や着想を調査・整理した。具体的には,インターネットを介して提供されている最近のWeb教材コンテンツ27件を選定し,それらの,Web教材コンテンツの構成,展開の技法,学習形態,対象・学年,教科などを調査する。また,Web教材コンテンツの教育的な観点での特徴,ネットワーク(WWW)を活用したソフトウェアとしての特徴,内容の展開方法の特徴,マルチメディアによる効果,含まれる教授様式,学習指導の制御様式,日本の教育への応用の可能性,全体としての印象,サイトの概要などの観点で着想を系統的に整理してとりまとめた。 (2)学校内ネットワークやWWWを活用した新たなWeb型教材を開発と,その学習の効果を明らかにするための基礎研究として,ネットワークを介したデータの授受の仕組みの学習を支援するためのWeb型教材コンテンツを開発し,検証授業を実施した。この教材コンテンツ(MOCS-Web)は,コンピュータ内部の計算の仕組みと,ネットワークを介したコンピュータ外部とのデータの授受の仕組みを,マイクロ操作に基づいて統合した学習支援ができるところに特徴がある。このMOCS-Webを含む学習指導システム作成し,学部学生を対象とした情報処理の導入教育において検証授業を実施した。その結果,事後テストでは高い正答率が得られ,意識調査ではMOCS-Webを用いた学習の内容がおもしろく,楽しく学習や操作ができ,理解できたとの意識を学習者が持ったことがわかった。
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