Research Abstract |
第一に,地理的な学習における小地域スケールの野外調査における地図利用と地理情報活用を明示することを目的として,小学校の教科書の内容の検討を行った.その結果,小地域スケールの野外調査における地図利用と地理情報活用は,地図利用・地理情報の利用の連続性からみると,(1)調査ルートを決定するまでの段階,(2)現地調査時(探検時)の段階,(3)地図作成の段階から構成され,(1)では,場所・スポットの情報を蓄積して情報(内容)を共有すること,(2)では,地図上へ自由な記録をすること,および,地図上へ記号を用いた記録をすること,地図上への特定地点の位置を記録しそれとは別に観察・調査内容を記録すること,(3)では,(2)の情報をもとに,白地図上に,記号の配置や塗り分けや建物名や各場所の情報を書き込みができることが必要であることを明らかにした.この成果については日本地理教育学会大会において発表した. 第二に,地理情報システムを用いた地理的意思決定過程において,ユーザからの要求に内在する不確実性を取り上げ,過程に及ぼす影響を定量的に評価する手法としてファジイ・エントロピーを用い,個々の要求に対してこの定量的な評価を算出し,定性的推論全体に反映させることによって意思決定過程の具体性,利便性の向上を図る提案を行った.この提案についてはGISA学術研究発表大会で発表し,大会優秀発表賞を受賞した. 第三に,小学校における校内マップ作りを支援するシステムに対する要望を調査し,システムの機能及びユーザインタフェースの試設計を行った.
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