2007 Fiscal Year Annual Research Report
モチーフへの注視と構図のバランスに基づいたデッサン描画のための教育支援システム
Project/Area Number |
19500811
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
亀田 昌志 Iwate Prefectural University, ソフトウェア情報学部, 准教授 (60243325)
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Keywords | 教育支援 / デッサン / プロポーション(比率) / 視線測定 / 注視点 / 滞留時間 |
Research Abstract |
デッサンの描画技術向上を目的とした教育支援システムの開発にあたり,特に描画者におけるモチーフの捉え方を対象として,以下の基礎検討を行った. 1.描画者のモチーフにおける全体比率学習についての検討 デッサンに不慣れな初心者が,描画時に犯しやすい問題として,描画対象であるモチーフの縦横の比率をうまく捉えられていないことが,予備実験および文献調査より明らかとなった.そこで,提案するシステムの初期段階の機能として,モチーフの全体比率を学習する手法についての提案を行った.具体的には,描画者が描画時の視点から撮影したモチーフの写真からそれを囲む矩形を抽出したものと,実際に描画者がデッサンを行ったモチーフの概形の比較を行うことにより,描画者に自分のミスを気づかせるものである.この中で,故意に縦横比を変えた複数のモチーフの写真を評価者に提示する主観評価実験を行うことで,システムが全体比率の誤りとして警告を与える閾値についての検討を行った. 2.画像観測者の視線の配り方についての検討 デッサンの描画において,モチーフを観測するときの視線情報は重要と考える.そこで,種類やサイズ(それぞれ,モチーフの種類と大きさに対応)の異なる複数枚の画像を用意して,それを観察している評価者の視線情報を視線追跡装置によって計測を行った.その結果,同一主題の画像に対しても,画像のサイズが異なることで,観測者が注視をする滞留時間の分布に差があることが分かった.また,注視点の滞留時間の分布とその画像を観測したときに受ける印象との間には強い関係があることが明らかとなった.以上の結果に基づいて,描画者がモチーフを観測する際には,モチーフ上の複数のポイントを指摘し,そこへ視線を配ることを指導できるような機能が,学習システムが必要であると考える.
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Research Products
(2 results)