2008 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者高等教育のための触図自動作成支援システム開発
Project/Area Number |
19500812
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
高木 昇 Toyama Prefectural University, 工学部, 准教授 (50236197)
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Keywords | 教育工学 / パターン認識 / グラフ認識 / 人工知能 / ソフトコンピューティング / 画像処理 / 触覚教材 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高等教育で利用する数学などの教科書のグラフを触図化するためのコンピュータ支援システムを開発することである.視覚障害児の指導にあたっては,健常児のそれと比較して,授業で用いる教材作成のための負担が大きく,学生指導の能率を著しく妨げている.教科書にあるグラフの効率的な触図化は,視覚障害児指導の能率化のみならず,彼らに対して十分な資料を触図として提供できる上で学力向上に貢献でき,その社会的意義は大きい. 本研究で開発するシステムの概要は次の通りである.1.グラフをイメージ・スキャナ等で画像データに変換する.2.画像データからグラフ領域と文字領域を分離する.3.文字領域の文字列をOCR処理により文字認識する.4.文字認識された文字列を自動点字翻訳する.5.上記一連の作業を支援するGUIを介して点字プリンタで触図を作成する. まず,入力画像を2値化処理し,ラベリングにより連結成分を抽出する.大領域成分はグラフ成分と判別して小領域成分から分離する.小領域成分には,文字成分の他,破線などのグラフ成分も存在する.このため,テンプレート・マッチング,局所的線分密度,階層化クラスタリングなどの処理を小領域成分に施し,小領域成分からグラフ成分を抽出する.更に,文字成分画像から文字列を抽出する.ここでは,階層化クラスタリング,ファジィ推論,および統計的検定を用いて文字列抽出処理を実現した.文字列抽出処理は,文字認識・数式認識に必要な手続きである.試作したシステムでは,岐阜大学で開発された点字翻訳システムIbukiTenCを用いて文字列を点字に変換し,最終的に点字プロッタで点図を出力する.実験結果により,一般の教科書に描かれているグラフに関しては,概ね良好に処理ができた.但し,グラフの点図化や認識精度に課題のあることも判明した.
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Research Products
(4 results)