2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500819
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
磯野 春雄 Nippon Institute of Technology, 工学部, 教授 (60337516)
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Keywords | 教育工学 / 授業学習支援 / 聴覚障害学生 / 情報保障 / 音声認識 |
Research Abstract |
近年、大学進学率の上昇に伴い一般大学で学ぶ聴覚障害学生の数は年々増加傾向にあるが聴覚障害学生に対する講義保障は十分とはいえない。本研究では音声認識方式により教員の音声をリアルタイムに字幕変換し、聴覚障害学生に提示する講義保障システムを実現する。平成19年度研究成果の概要を以下に述べる。 1.リアルタイム音声認識字幕化装置の試作と講義内容の字幕表示化 高性能音声認識技術と無線LAN技術を用いて、聴覚障害学生のために講義や講演会等における音声をリアルタイムに字幕変換し提示するシステムを試作した。試作したシステムは従来方式と異なり、復唱者が不要のため実用性が高く一般大学でも導入が容易である。本システムは字幕生成部と字幕表示部から構成され、教員の音声をリアルタイムに字幕変換し、誤認識の修正も可能である。また、字幕表示部は無線LAN化されており、教室内の場所を問わずどこでも字幕を見ながら講義を受けることが出来る。本システムを大学の実験授業に適用した結果、音声認識制度は平均87%、誤認識修正後は平均93%の字幕制度が得られた。 2.誤認識文字の効率的な修正方式の検討 音声認識方式では誤認識が避けられないため誤認識部分は人間による修正作業が必要である。修正作業が効率よく迅速に出来ない場合には字幕の表示が遅れ、聴覚障害学生の満足度を損なう。今回、効率よく字幕修正作業を行うための字幕修正方式を検討し、修正者が1人の場合や数名が連携しながら分担して修正する場合のほか字幕修正をタッチパネルで行う方法など、種々の修正方式について所要時間と作業効率との関係について実験した。その結果、字幕修正者が増加するにつれて修正率は向上するが、4人以上では逆に作業効率が低下し、修正者は2〜3名が最適であることが分かった。さらに、講義内容の理解度には字幕修正率と字幕の表示遅れ時間とがトレードオフの関係にあることが分かった。
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Research Products
(2 results)