Research Abstract |
本研究の目的は,高校生・大学生を対象として,リアルタイムOSや制御プログラミングなどの組込みシステムの概念から実装までを,可視化をベースとしたより理解しやすい教育環境の開発,実用についての評価を通して,このような学習環境モデルの有効性を明らかにすることである.本年度は,(1) 昨年度までの工業高校での本環境の利用評価を行い,その結果を基にシステムおよび教材の再検討を行うこと,(2) 教育現場での再評価,(3) 研究成果の公表,(4) ドキュメントや教材類の整備を計画した.(1)および(2)については,学習者がより体感できる教材の必要性を認識した.また,Linuxなどのより一般的に利用されているOSへの適用の拡大,また利用環境の設定の手軽さ,学習教材の充実が要求されていることがわかった.(3)については,これまでの研究成果をまとめて学会発表を行うとともに,ET2009への出展を行い,成果を公開するとともに,企業関係者などからの積極的な意見を集めた.(4)次の開発の基盤とするために,次の整備を行った.(a) ユーザインタフェースの改良:学習者が使いやすくするために,ユーザインタフェースの改良を行った.(b) コードのリファクタリング:コードをリファクタリングし,システムとして拡張しやすくした.また,ビデオキャプチャ機能を拡張し,利用できる機種を増やした.(c) Linuxへの対応:学習対象OSとしてLinuxを利用できるように,Linuxでのプロセス情報取得機構および,可視化環境の対応を行った.(d) 可視化教材の追加:ファイルシステムに関する学習教材を追加した.
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