2007 Fiscal Year Annual Research Report
プログラミング初学者のトレース能力の修得を目的とした学習支援システム
Project/Area Number |
19500823
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
荒井 正之 Teikyo University, 理工学部, 准教授 (70212602)
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Keywords | プログラミング / 学習支援 / プログラム可視化 |
Research Abstract |
平成19年度は,次に示す順序および内容で研究を進めた. 1.システムの要求仕様の検討 (1)プログラミング初学者には身体性が重要である.システムには,ソースプログラムと制御構造を表したチャートを並行に表示し,学習者が指でなぞりながらトレースできる機能を持たせる.(2)トレースを修得するためには,実行時の変数の内容と同時に,変数の内容がどのように変化してきたのかを理解することが重要である.システムには,変数の内容の変移が参照できる機能を持たせる.(3)プログラミング初学者には,類似プログラムを何度も読み書きする反復学習が重要である.システムには,多くの類似問題が作成可能な機能を持たせる.(4)時間や場所に関係なく学習できる環境の整備が重要である.システムは,Webベースのサーバクライアント方式として実現する. 2.システム構成の検討 システム構成を検討した結果,次のモジュールで開発することにした.(1)教員インタフェース(2)問題設定エンジン(3)ソースプログラム設定エンジン(4)可視化データ生成エンジン(5)データベース(6)問題表示エンジン(7)制御構造表示エンジン(8)変数内容および実行行表示エンジン(9)学習者インタフェース 3.トレースのためのプログラム可視化機能の実現方法の検討 次の3つの可視化方法について検討を行った.(1)ソースプログラムの入力と問題作成方法の検討(2)スケジュールデータおよびフローチャートデータの生成方法の検討(3)可視化情報の表示方法の検討 提案システムが行う学習支援により,多くのプログラミング初学者がソースプログラムをトレースする能力を身につけることが可能になる.学習者は「連接・判断・繰り返しなどのアルゴリズムの基本構成要素を用いて,簡単なプログラムを作成する能力の修得」にスムーズに進むことが可能となり,学習初期において,プログラミングにつまずく学生の割合を低減することができる.
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