2007 Fiscal Year Annual Research Report
学習者の理解状態と教材の関連を統計的に解析するe-Learning支援システム
Project/Area Number |
19500832
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Research Institution | Osaka University of Arts |
Principal Investigator |
武村 泰宏 Osaka University of Arts, 芸術学部, 教授 (90280065)
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Keywords | 教育工学 / e-Learning / ARCS動機付けモデル / モチベーション関連構造 / 理解状態 / Processing |
Research Abstract |
本研究の目的は,申請者が従来行ってきたe-Learning支援技術に関する研究を発展させ,学習者の専攻領域と教材に対する「動機付け」の因子レベルの測定を行い,学習者の理解状態と教材の関連を統計的分析手法によって解析して,教材の定量的な改善ができるe-Learning支援システムを開発し,その有用性を明らかにして学習者の理解状態と専攻領域に対応した効果的な教授戦略の実現にある。本年度は,この研究(2ケ年計画)の初年度に当たるもので,研究実績は以下のとおりである。 (1)ARCS動機付けモデルを用いて,学習者の「動機付け」の因子レベルを測定するためのアセスメント尺度を設計した。 (2)アセスメント尺度の測定機構を設計してLinaxサーバーに実装し,アセスメント尺度測定機構の評価実験によって本機構の機能を検証した。評価実験におけるモチベーションの解析では,因子間の関係を解析する統計的分析手法も新たに提案し,既に開発している関連構造描画機構によってモチベーションの関連構造を描画した。 (3)基盤研究(C)17500662の支援で開発したテスト機構,順序関係解析機構,関連構造描画機構とアセスメント尺度測定機構をLinaxサーバーマシンに実装して結合テストを行った。 (4)教育現場においてMITで開発されたプログラミング環境Processingを用いた評価実験を行い,理解状態と教材の関係を解析した。その結果,ARCS動機付けモデルを基にした芸術系のプログラミング学習におけるモチベーションモデルの構築ができ,モチベーションの因子間における関係の遷移を把握できることが確認できた。また,モチベーションの時系列的な解析が可能になることも確認できた。そして,学習者の専攻領域における教材の要因分析と,それに対応した教授戦略が提案できた。これらの成果については国内外の学会において発表を行った。
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