2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国語を学習する日本語話者向けの発音訓練のシステムの開発
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19500843
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Research Institution | Toyama National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
星野 朱美 富山高等専門学校, 一般教養科, 准教授 (90300566)
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Keywords | 中国語の有気音 / VOTの長さ / VOT中のパワーの自動計算 / 発話評価 / 有気音と無気音の判別 / VOTの長さの自動測定 |
Research Abstract |
これまでの研究成果によれば、中国語の有気音の発話において、VOTの長短が発話の評価基準であり,これが長ければ,有気音に聞こえ,高い評価が得られると言われていた。平成19年度中本研究課題における筆者らの研究で、有気音の発話の正確さはVOTのみでなく,発話の際のVOT中に吐く息のパワーにも依存することが示された。そこで平成20年度は,パソコンにマイクロフォンからの発話を取り込みVOTの長さを自動測定するソフトウエアの開発を行い,一定の成果を得た。 21年度は,まず,VOT中相対平均パワーの自動計算のソフトウエアを開発し,それから中国語の「有気音」と「無気音」の自動判別のシステムを開発しました。本システムは日本語話者による中国語の発話を収録し,コンピュータにより発話の正確さの重要なパラメータであるVOTを計算する。VOTが短すぎる時は無気音と判断する。VOTが十分長い時は有気音と判断する。VOTが一定の幅内のときにはVOT中のパワーを計算し,著者らが確立した有気音の発話評価基準により有気音か無気音かの判別を行う。その時はパワーが大きければ,発話の評価も高い。 また,最近では中国に語学留学する学生が増加し、現地でも有気音の発話の客観的評価方法に関心が集まっている。中国の大学へ出向き,「有気音」,と「無気音」の自動判別のシステムの問題を討議すると共に、中国の音声研究の情報を収集し,現地の中国人の発話の収録を行った。帰国後にそれらのデータを用いて,本システムを改良した。無気音の判別率の平均値は約78%で,有気音の判別率の平均値は約65%である。 更にそれらの研究結果は,2010年春季研究発表会で「中国語を学習する日本語話者向けの発音訓練システム」というデーマで発表を行った。また,「中国語有気音の二重母音の発話評価におけるVOTとパワー依存性について」のテーマで電子情報通信学会2010年総合大会で発表した。
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