2008 Fiscal Year Annual Research Report
瞬目波形に基づく視覚的注意の推測に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19500849
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
田邊 喜一 Matsue National College of Technology, 情報工学科, 教授 (20413825)
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Keywords | 瞬目 / 注意 / 関心 / ヒューマンインタフェース |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に取得した実験データを用いて注意の度合いと瞬目波形に関する分析を行った.更に,分析結果に基づき,注意の度合いとの関係を詳細に調べるめの新たな実験を計画・実施した.また,瞬目波形半自動抽出ソフトウェアの実装を完了した.得られた成果は次の通りである. 1. 注意の度合いと瞬目波形の関係についての分析 オフ画面観察条件(オフ状態のモニタの観察),数字観察条件(一桁数字の観察),数字加算条件(特定色で表示された数字の加算)の注意の度合いが異なる呈示条件における瞬目波形の特徴を分析した.画面に対する注意が惹起されると振幅が減少し,閉瞼速度が遅くなる傾向が示唆された.持続時間については注意との関係ではなく,呈示刺激に対して課された加算作業による認知的負荷を反映することが推察される.しかし,注意の度合いを明確に反映する形状特徴パラメータは見いだせなかった.その理由として,呈示条件間での注意の度合いの差が小さかった可能性が挙げられる.そこで,注意の度合いが明確に異なる状況を実現するための実験を新たに計画した.この課題では継時的に呈示される数字列に対する作業が課されるが,数字の呈示個数を変更することにより,画面に対する注意の度合いを調整することが可能である.実験はすでに完了しており,分析は次年度に実施する. 2. 瞬目波形半自動抽出ソフトウェアの実装 上眼瞼と眼球表面との境界並びに下眼瞼と眼球表面との境界付近に設定した複数のテンプレートを用いて正規化相互相関手法に基づく瞬目波形抽出ソフトウェアを実装した.本ソフトウェアは対話型形式により,誤検出された場合でも,真の境界位置を手操作により容易に修正できる機能を有する.これにより,瞬目波形の抽出が効率的に行える環境が整備された
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