2009 Fiscal Year Annual Research Report
瞬目波形に基づく視覚的注意の推測に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19500849
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
田邊 喜一 Matsue National College of Technology, 情報工学科, 教授 (20413825)
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Keywords | 瞬目 / 注意 / 関心 / ヒューマンインタフェース |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に続いて,注意の度合いが瞬目波形に及ぼす影響について追加の分析を続行した.さらに,選択的注意と瞬目波形の関係を分析するための実験を実施した.得られた成果は以下の通りである. 1.注意の度合いと瞬目波形の関係について 注意の度合いを反映する瞬目波形の形状特徴パラメータを探索するため,継時的呈示法による数字列の記憶課題を実施した.呈示個数を調整して,低注意条件(2個),中注意条件(4個),高注意条件(8個)の3条件を設定した.分析の結果,次の知見が得られた.第1に,注意の度合いが高くなると,振幅が減少する傾向が示された.第2に,中注意条件では,500ms以内の間隔で連続して生起する群発生瞬目が多発する傾向が見られた.しかし振幅以外の形状特徴パラメータについては一定の傾向は示されず,大きな個人差が認められた. 2.選択的注意と瞬目波形の関係について 画面の左右に一定の時間間隔で更新されるアルファベットに対して,母音の呈示回数を計数する課題を設定した.このとき,左右どちらか一方に呈示された刺激のみを作業対象に設定することにより選択的注意の事態を産出した.分析の結果,注意が向けられた文字の更新に同期して生じる瞬目については,その振幅に一定の傾向が認められたものの,その他の形状特徴パラメータには一定の傾向は示されなかった. 以上の分析結果により,視覚的注意は振幅パラメータに影響を及ぼすと言えるが,その他の形状特徴パラメータに対して,明確な変化を与える可能性は低いことが示唆される.
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