2007 Fiscal Year Annual Research Report
戦間期における日本の化学研究の展開について 史的な研究
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19500855
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶 雅範 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (00211839)
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Keywords | 日本化学史 / 眞島利行 / 野副鉄男 / 有機化学 / ヒノキチオール / 小川正孝 / 高橋純一 |
Research Abstract |
昨年度は、1910年代から40年代にかけての東北帝国大学での眞島利行の研究について検討し、さらに眞島の弟子で20年代から40年代にかけて台北帝国大学で研究して、新種の芳香族有機化合物であるヒノキチオールを発見した野副鉄男の研究と経歴についても検討した。東北大学史料館に所蔵されている眞島利行の日記のマイクロフィルムを閲覧し、日記の前半部分にあたる大正期から昭和10年代のものの概要を読み、一部をコピーした。この眞島利行から野副鉄男につながる日本の天然物化学の学派の展開について、8月末にベルギーのレーヴェンで開かれた国際化学史学会で発表した。さらに1月にはアメリカ合衆国ボルティモアのジョンズ・ホプキンス大学で開かれた東アジア科学史のワークショップで、台北帝国大学における野副鉄男について発表した。さらに、ロンドン大学の特別文書館でラムジー文書を調査して、東北帝国大学の化学者小川正孝の「ニッポニウム」発見に関する新史料を発見した。さらにパリの科学アカデミーの文書館で、日本への地球化学導入に功績のあった東北帝国大学の高橋純一に関する新史料も発見した。さらに同館では、1924-25年の高橋のパリ滞在中に受け入れ学者だった科学アカデミー会員で地質学者のラクロワ(Antoine Francois Alfred Lacroix)の1926年の日本訪問(第3回汎太平洋学術会議に出席)の関係史料も発見した。それらの写真デジタルデータを入手することができた。
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