2008 Fiscal Year Annual Research Report
15年戦争期日本の科学技術の研究開発体制の研究-官軍民協力の実態とその遺産
Project/Area Number |
19500863
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
常石 敬一 Kanagawa University, 経営学部, 教授 (00039786)
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Keywords | 結核 / ワクチン / 戦争 / 官軍学協力 / 対照実験 / 栄養 / 体力 / 官軍民協力 |
Research Abstract |
08年度において新たに、日本における官軍民協力による戦前・戦中・戦後にわたる科学技術研究の典型として結核制圧の実態解明に取り組んだ。具体的には、戦前・戦中においては学術振興会第8小委員会編成に見られるように、官(厚生省)・軍(陸軍)・学(結核予防会)が一体となった体制が作られた。また戦後の占領期においては、陸軍の役割を占領軍が果たした結果として、1951年の結核予防法成立を導いた体制の分析・解明を開始し、09年度も引き続きこの問題に取組む。 各国の結核制圧の歴史を調べるために、英国のWellcome CollectionやHunterian Museumおよびフランスのパスツール研究所において調査を行った。 また以下の11,に記した発表をすることができたが、このうちメルボルンでの国際学会での招請講演は上記、公衆衛生学を中心とした医学における、日本陸軍と占領軍とのつながりを解明する糸口となるものと考えている。この面での占領軍の活動を明らかにする資料は国立国会図書館の憲政資料室に占領軍資料としてマイクロフィッシュの形式で収められており、08年度その入手および分析を行い、09年度も引続き内容の分析を進める予定である。 08年度当初に予定していた「米国議会図書館に未整理の日本語の資料として保管されている約1万点の文書の臆分け」については、議会図書館のT. Steen博士と相談の結果、09年度に協力して進めることとした。
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