2007 Fiscal Year Annual Research Report
イランにおける精密科学史関係アラビア語写本の調査・研究
Project/Area Number |
19500864
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
矢野 道雄 Kyoto Sangyo University, 文化学部, 教授 (40065868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 啓二 京都産業大学, 文化学部, 教授 (60329927)
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Keywords | アラビア語写本 / イラン / 天文学 / 占星術 / 数学 / クーシュヤール / Zij / Bagheri |
Research Abstract |
1.平成19年8月20日から30日までイランに滞在し、テヘランEncyclopeadia Islamica FoundationのMohammad Bagheri氏の協力により、(1)テヘラン大学中央図書館、(2)マリク国立美術・図書館(MalekLibrary),(3)国民議会図書館(Majlis Library)、(4)シパフサラール図書館(Sipahsaral Library)、(5)国立図書館(Milli Library)の5つの図書館を訪問し、天文学・占星術・数学に関するアラビア語写本を調査した。すべての図書館で写本の複写・CD化の設備が整っており、持参したデジタルカメラによる撮影は不要であることが判明した。とくにテヘラン大学の図書館では、写本のデータベース化が進んでおり、他の図書館に属する写本も、いくつかはここでコピーを申し込むことができることがわかった。それぞれの図書館で今後の研究に必要と思われる写本の複写を依頼した。なかでもシパフサラール図書館で注文した写本はイラン滞在中にCDが出来上がり、持ち帰ることができた。またその他の図書館で注文した写本もすべてBagheri氏のおかげで、帰国後受け取ることができた。 2.Bagheri氏と数回面談し、氏が行ってきたクーシュヤール・イブン・ラッバーンの天文学作品(Zij)の研究の進行状況を確認した。氏が最近オランダのユトレヒト大学に提出した博士論文により、氏がアラビア語資料を扱う能力を十分に備えていることを確認した。ただしこの博士論文は上記のZijのうち第1章と第4章だけのアラビア語テキストと英訳からなるものであり、第2章と第3章については共同研究の余地があることが判明した。 3.テヘラン大学の科学史研究大学院でアラビア語写本を用いた今後のイスラーム科学史研究のあり方について若手研究者たちと意見を交換した。
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