2008 Fiscal Year Annual Research Report
イランにおける精密科学史関係アラビア語写本の調査・研究
Project/Area Number |
19500864
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
矢野 道雄 Kyoto Sangyo University, 文化学部, 教授 (40065868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 啓二 京都産業大学, 文化学部, 教授 (60329927)
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Keywords | イスラーム科学 / Mohammad Bagheri / アル・ビールーニ / クーシュヤール / テヘラン大学 / アラビア語写本 / 明訳天文書 / 精密科学 |
Research Abstract |
平成20年8月にイランを単身再訪し、1週間にわたって、シャリフ大学教授Mohammad Bagheri博士の協力を得て、アラビア語写本を調査するとともに、イランにおけるアラビア天文学・数学史研究の現状を視察した。 テヘラン大学科学史研究所の大学院では若手研究者たちと情報を交換した。ここで新しく刊行し始めた学術雑誌Tarikh-e-`Ilmの編集顧問を委嘱された。後にこの雑誌の最新号である第6号を受領した。8月19日には同大学のMohammad-Mehdi Kaveh-Yazdi氏の修士論文口頭試問公聴会にゲスト審査員として出席し、アル・ビールーニーがインド数学の三量法について論じているアラビア語文献に関する同氏の論文のコメントを行った。 テヘラン大学図書館とMalik図書館で、昨年入手した写本のコピーのうち、既刊の書誌の記述と異なるものがあったので、その原因を尋ね、あらたに不足分のコピーを注文した。さらに両大学図書館に所在する天文学・数学・占星術写本をオンライン検索によって再調査し、昨年入手しなかった写本のコピーを新たに注文した。 若手研究者のなかではとくにHamid-Reza Giahi Yazdi博士と面談し、日食に関する文献の総合調査の経過報告を受け、その研究が重要であることを確認した。 申請者がすでにアラビア語テキストを公刊したクーシュヤールの占星術書については、ペルシャ語写本について、Bagheri氏をはじめとするイラン人研究者の意見を求め、中国語訳である『明訳天文書』の元になったテキストがどのようなものであったかを探るための準備をした。
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Research Products
(3 results)