2009 Fiscal Year Annual Research Report
高精度磁気年代決定のための広域テフラの古地磁気研究
Project/Area Number |
19500868
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
藤井 純子 University of Fukui, 教育地域科学部, 助手 (50228946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正志 福井大学, 教育地域科学部, 特命教授 (70093440)
山本 博文 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (50240122)
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Keywords | 古地磁気 / 年代測定 / テフラ |
Research Abstract |
本年度は,複数の地点において,噴出年代のわかっている複数の広域テフラに挟まれた堆積物からの連続した古地磁気方位データを得るため,好露頭が多く分布している大山周辺(鳥取県関金町および岡山県蒜山高原の2地点)において,連続試料を採取した。これらの地点には,約2.5万年前の姶良Tnテフラ(AT)および約5万年前の大山倉吉テフラ(DKP)に挟まれた大山起源の火山性堆積物(大山上部火山灰層)が露出しており,大山上部火山灰層は上位から弥山軽石層,上のホーキ火山灰層,オドリ火山灰層,下のホーキ火山灰層に分けられている。これらの試料は,DKPを除いて交流消磁に対して安定な残留磁化を持っていた。 本調査地域の他の数地点においてもATからDKPまでの連続測定結果を蓄積している。これらの測定結果を総合すると各層ごとに非常によくまとまった特徴的な磁化方位が得られ,5万年前から2.5万年前の地磁気永年変化の詳細を明らかにすることができた。 本地域のDKPの残留磁化がなぜ不安定なのかについては岩石磁気学的に検討する必要があり,現在,岡山理科大学,高知大学と共同して「広域テフラの岩石磁気」についての研究を進めている。 本研究期間中に,鹿児島県,宮崎県,大分県,愛媛県,和歌山県からの鬼界アカホヤ火山灰についての測定結果を整理し,現在,鬼界アカホヤ火山灰堆積時の日本列島における地磁気分布図を作成中である。すでに公表している姶良Tnテフラ,阿蘇4テフラ堆積時の地磁気分布図や,本年度の5万年前から2.5万年前の地磁気永年変化,および既報の地磁気永年変化のデータを総合・比較検討して,地磁気変化の全体像を明らかにしたいと考えている。
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