2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
The Study on historical coating materials and techniques used to wooden architectures.
Project/Area Number |
19500872
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Cultural property science
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Research Institution | National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo |
Principal Investigator |
KITANO Nobuhiko National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo, 保存修復科学センター・伝統技術研究室, 室長 (90167370)
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Project Period (FY) |
2007 – 2010
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Keywords | 建造物 / 外観塗装 / 赤土ベンガラ / 漆塗料 / 乾性油 / 白土 / 明礬 / 手板サンプル |
Research Abstract |
建造物は常に白木のままであったわけではなく、多くの場合は部材の表面保護や装飾のために何らかの外観塗装が施されていた。しかし建築文化財の外観塗装材料は、常に紫外線や雨風の劣化にさらされるため、建物の保存修復作業時に従来の塗装材料をある程度除去してから新たに塗り替え作業を行う場合が多く、その修復記録もほとんど現存しない。そのため、現存の建築文化財では創建当初の状況やその後の修復履歴を確認することはきわめて困難である。ところが、それぞれの建造物に使用された外観塗装材料の色調は、それぞれの建造物自体のイメージを大きく左右するため大切である。しかし「外観塗装材料の歴史的変遷や創建当初の色調、さらには当時の顔料などの塗装材料を復元製作するとともに、耐候性があり、かつ安定した塗料である新素材とを併せて実用に応用しうる材料としての新塗料開発のための実践的研究」はほとんど見られない。このことを念頭に置いた基礎研究として、まず各年代の建築文化財における外観塗装材料の分析調査を行い、基本的な材料の変遷過程を解明する。さらに分析調査によって得られた知見をもとに、各種の手板サンプルを作成して劣化促進実験を行い、伝統を生かしたより新塗料開発へ向けた基礎資料の蓄積を図る。
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Research Products
(5 results)