2007 Fiscal Year Annual Research Report
氷河地形・地質と地すべり地形・地質の比較識別に関する研究
Project/Area Number |
19500880
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
苅谷 愛彦 Senshu University, 文学部, 准教授 (70323433)
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Keywords | 環境変動 / 地形学 / 地質学 / 第四紀学 |
Research Abstract |
<目的>日本において,これまでに氷河地形・堆積物とされてきたものの最終的な成因を,地すべり地形・堆積物との識別・比較を交えて発達史地形学・堆積学・第四紀学的な観点で再検討した.平成19年度の研究地域は,氷河地形・堆積物と地すべり地形・堆積物がいずれも発達する飛騨山地北部の白馬岳周辺とした. <研究実績> 【年度上半期】 1,氷河地形・地質及び地すべり地形・地質の特徴の整理と相互識別法の確立:山岳地域での氷河性と地すべり性の地形・地質の特徴を正確に把握するため,国内外の文献をできるかぎり収集し,データベース化した上で地形・地質学的なの相違点や類似点を整理し,双方の識別に必要な観察点や分析法を検した. 【年度下半期】 2,野外調査:5〜11月に複数回の現地調査(長野県白馬村・小谷村)を行い,露頭記載,写真撮影,各種試料の採取を行った.この結果,これまで複数の研究者によって堆石堤と考えられてきた凸状地形が,実際はほとんど単一の岩石で構成されていることが判明し,氷河ではその成因を説明できないことが明らかとなった. 3,堆積物の堆積学・構造地質学的分析:氷河堆積物や地すべり堆積物の粒度,淘汰度,礫の円磨度,古流向,ファブリック解析,構造解析を試みた. 4,地形と堆積物の編年:テフラや14C法による編年を行った.テフラ分析は研究代表者の前所属機関の協力を得て行い,年代測定は外部機関に委託した.(5)研究成果の中間とりまとめ:平成19年度の成果のうち,とくに14C年代に関するものをとりまとめて,査読付学会誌に投稿した.またそれ以外の成果も現在とりまとめを進めている.
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