2007 Fiscal Year Annual Research Report
代替燃料用作物の栽培の有無によるバルゼアの熱収支・二酸化炭素吸収量の比較研究
Project/Area Number |
19500882
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土谷 彰男 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 助教 (00263632)
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Keywords | 中部アマゾン / バルゼア / 熱収支 / 水文環境 / 水蒸気パラメーター / 代賛燃料用作物 |
Research Abstract |
本年度は、9月にアマゾン中央部の季節性バルゼア(水没域)とその後背部の高台にある非水没域(草地)で、熱収支の観測を行った。アマゾナス州政府系列のピアガス研究所の調査サイト(マナウスから300Kmのプルス川流域)への参加を申請していたが、移動直前たなっても州政府からの許可が出ず、急遽、マナカプル市から船で半日のバルゼア(マナウスから80Km)で、川の上に筏を浮かべて生活する漁師と交渉し、滞在することにした。観測は上述の2箇所で、大気圧、降水量、2高度の気温・相対湿度、下向き上向き短波放射量・長波放射量・黒体温度、地中熱流量、地表面温度、2深度の地温・土壌水分を計測した。 バルゼアは低水位期には広く川底が露出し、約半年間は親水性の植物に覆われる。実際、2箇所の観測結果を比較すると、昼夜を問わず、バルゼア直上大気の水蒸気関連のパラメーター(絶対湿度、比湿、混合比、飽差など)が高く維持され、非水没域は逆の傾向が見られた。バルゼアは水面のすぐ横であり、直前まで水没していたからである。しかし、こうしたバルゼアの特殊な微気象環境・土壌物理環境はほとんど利用されていない。農耕や牧畜は後背地の高台が中心である。低水位期に生育収穫可能な作物の栽培を考えるべきであり、バイオデイーゼル燃料が抽出可能な作物もその選択肢に入れるべきである。州政府や先進的な環境NGOがデンデーヤシやマモーナなどの栽培を試みている。新たに森林を伐採することなく、未利用の土地を有効活用することは、現金収入を増やすことにもなる。次年度はバルゼアでの栽培作物の吸水量を計測する。
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Research Products
(2 results)