2008 Fiscal Year Annual Research Report
代替燃料用作物の栽培の有無によるバルゼアの熱収支・二酸化炭素吸収量の比較研究
Project/Area Number |
19500882
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土谷 彰男 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 助教 (00263632)
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Keywords | 中部アマゾン / バルゼア / 熱収支 / 蒸発 / 蒸散 / 樹木 |
Research Abstract |
最終年度(二年目)にあたり、季節性浸水林の氾濫原を対象に、8月末から9月下旬にかけて、初年度と同様の熱収支観測と、新たに軟材樹種の蒸散流と樹幹周囲長の計測を行った。 25日間の降雨は5日で、まとまった降水量になった9月12日は、気温・相対湿度・露点温度・水蒸気圧・飽差その他の水蒸気関連のパラメーターが乾期の晴天日と異なる位相を示した。 放射量も1000Wm^<-2>に達する下向き短波放射量が、200Wm^<-2>程度にしかならず、その配分も潜熱フラックスが中心で、裸地表面特有の地中熱流量への配分とはならなかった。地表面温度の低下、地温の低下、土壌水分の上昇、蒸発量の低下も見られた。そうした氾濫原に自生する樹木は、水面の下がるこの時期に生長する。樹幹の2か所にセンサーを埋め込み、温位を計測し、辺材部面積を考慮することで、蒸散流として吸引する水分を推定することができる。 晴天日は正午前に時間当たり15リットル(樹木個体のサイズによる)の水分が根から葉層へ移動していた。氾濫原の土壌水分の高さは浸水しない通常の森林の2倍程度あり、乾期の水ストレスはない。それに対して、雨天日は同一個体の蒸散流の最大値は3リットル程度で、天気の良否による葉面飽差に規定されて、蒸散流が増減していた。これは、樹幹周囲長の時間変化にも現れ、夜間は根のHydraulic liftによって、幹直径がわずかに太り、日中は蒸散流による放出で昼前から午後にかけて縮小する傾向が見られた。雨天日はその日変化が現れなかった。氾濫原の微気象とそれに適応する植物の特性を考察した。
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Research Products
(2 results)