2007 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける湖沼と干潟の環境問題と共有資源の管理システム
Project/Area Number |
19500883
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
淺野 敏久 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (00284125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 達也 金城学院大学, 現代文化学部, 教授 (60223161)
金 科哲 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (10281974)
平井 幸弘 駒澤大学, 文学部, 教授 (30181134)
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Keywords | 東アジア / 韓国 / セマングム干拓 / 湖沼・干潟の開発 / 環境問題 / 環境運動 / 資源管理 |
Research Abstract |
本研究は,東アジアの湖沼・干潟の環境問題とその状況下での資源管理システムに関する調査を行うことを目的としている。その初年度として,平成19年度は韓国のセマングム干拓問題に焦点をあてて,事業者側と環境団体側のそれぞれに対して聞き取り調査を行った(2007年8月29目から9月3日まで)。これは,平成15-17年度に行った科研費調査のその後をフォローするもので,韓国最大の環境問題といわれ,大きな社会問題となったセマングム干拓問題が,その後どうなったのかという事実関係の把握と,新たに出現した陸地環境(及び喪失した干潟環境)において住民の資源利用のあり方がいかに変容したのか調べた。環境団体の動きとしては,一時期の盛り上がりに比べて,現在は年末の大統領選挙を見すえて様子見をしている状況といえ,そのために干潟を生活の場とし反対運動を現地で担ってきた漁民が孤立してしまっていた。そこでは干潟が陸化し,そこに生える塩生植物の利用をめぐって地域コミュニティの混乱という新たな問題にも直面していた。一方,事業推進派は一気呵成に開発事業を進めるべく行動を行っており,事業の採算性や目的の妥当性といった一時期社会的に間われていたことが問題視されなくなっていた。これらの結果については,「環境問題の時空間構造」と題する論文にまとめて学会誌に投稿している(投稿中のため業績リストに未記載)。また,次年度以降の調査に備えて,日本国内事例として,沖縄県の泡瀬干潟や辺野古地区などを見学し,関係者からの情報収集などを行った。
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Research Products
(11 results)