2008 Fiscal Year Annual Research Report
琉球列島における完新世の津波と台風の高波による海岸地形変化
Project/Area Number |
19500885
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
河名 俊男 University of the Ryukyus, 教育学部, 教授 (60044955)
|
Keywords | 完新世 / 更新世 / 津波 / 台風の高波 / 沖縄島 / 宮古島 / 石垣島 / 古宇利島 |
Research Abstract |
1.台風の高波あるいは津波による岩塊の移動 宮古島、東平安名岬のマイバー浜における完新世ハマサンゴ化石群(津波石と推定される岩塊)の分布図を作成した。東平安名岬上およびその北東海岸の更新世琉球石灰岩の岩塊の分布から、古津波の襲来方向(南東から北西)を推測した。多良間島とその北方の宮古水納島における更親世琉球石灰岩の分布から、前者では、ある時期の津波が西方から襲来し、後者では、ある時期の津波が東方から襲来したと推測した。八重山諸島竹富島の中央部に分布している2個の巨大な琉球石灰岩の岩塊の分布から、それらの岩塊は1771年明和津波以前のある時期の津波によって運ばれた岩塊と推測した。 2.3個の岩塊の放射性炭素年代から、台風の高波・津波の時期、および古地理を推測する。 (1)沖縄島周辺島の宮城島に分布している琉球石灰岩の岩塊は約1700年前以降の台風の高波か津波によって移動したと推測される。(2)石垣島名蔵アンパル地域の完新世マイクロアトール化石が約2800年前を示すことから、当時の当地域の海岸は内陸に入り込んでいたと推測される。(3)波照間島北海岸の完新世津波堆積物と推定した地層は更新世の地層であることが判明した。 3.明和津波の最高遡上高は、宮古島で約10m、多良間島で約15m、石垣島で約30mと推定される。 4.沖縄島周辺島の古宇利島北海岸における海食崖の後退 円筒状空洞地形と古土壌の分析から、ポットホールの形成、海水準の低下、ポットホールへの赤色土の流入と固結作用が考えられる。それらの諸特徴と海岸地形から、完新世における海食崖の後退が推測される。
|
Research Products
(7 results)