2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国沿海部におけるグローバル都市地域の内部構造と対外連携
Project/Area Number |
19500888
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小野寺 淳 Yokohama City University, 都市社会文化研究科, 教授 (50292206)
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Keywords | グローバル都市地域 / 空間構造 / 対外連携 / 中国 / 沿海部 |
Research Abstract |
本年度は、まず8月下旬から9月初めにかけて、広東省江門市管轄開平市における現地調査と、広州市や上海市における関連分野の研究者との意見交換や資料収集を行った。土地利用、都市開発、人口流動などの観察から、開平市のような空間スケールで検討すべき都市農村関係、珠江デルタ地域のような空間スケールで検討すべき大都市圏あるいは地域的な都市システム、そして国境を越えたグローバルな地域間関係、といった重層的な空間関係が存在していることを改めて認識した。中山大学の劉雲剛博士とは、共同研究の体裁作りが話題になった。上海では華東師範大学の谷人旭教授・資源與環境科学学院副院長とお会いし、上海を中心とした都市空間構造について意見交換をし、ここでも正式な共同研究の体制を整える必要性で意見が一致した。 次に3月には、上海市と浙江省温州市において現地調査と資料収集を行った。上海では、近年活発に刊行されている中国の都市化に関する論考の研究動向をよく把握する必要を認識した。また、上海の経済改革対外開放期、特にその初期における都市形成の過程で重要な役割を果たした虹橋経済技術開発区を視察した。その他、上海万博を控えた急速な都市開発を目の当たりにし、上海の都市化のダイナミズムを改めて実感した。浙江省沿海の都市である温州市の訪問ではまた多くの知見を得ることができた。温州商貿城と呼ばれる地区には、アパレル、電器、雑貨など多様な商品の卸売機能が集積しており、その集積の規模は中国でも一、二を争うほどのものであると推察された。著名な社会学者の費孝通が提唱した「温州モデル」からすでに20年以上が経過しており、この特異な都市の現在を再解釈する必要がある。
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Research Products
(1 results)