2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19509002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
原田 一平 Chiba University, 環境リモートセンシング研究センター, 講師(研究機関研究員) (80451748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 功 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (80435768)
久世 宏明 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (00169997)
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Keywords | 地球観測 / 自然現象観測・予測 / 水質 / 環境への影響 / 火山 / 火山噴出物 / 計測工学 |
Research Abstract |
東京都三宅島において2000年以来続いている火山噴火の影響は、植生だけでなく地下水の水質に深刻な影響を与えた。本論では島内7流域9地点における地下水中のSO_4^<2->濃度の時間変化を明らかにし、地下水水質への火山噴火のインパクトを評価した。調査の結果、地下水中の硫酸イオンの上昇は噴火直後ではなく、1.5年〜5.2年経過した時点で生じ始め、その後、継続することが明らかになった。これは地表に堆積したジプサム(CaSO_4・2H_20)もしくはアンハイドライト(CaSO_4)が溶解し、地下に浸透したことによるものである。火山泥流が繰り返し生じた流域にて水質変化の程度が大きく、かつ同一流域において変化パターンが似通っていたという事実は、水質変化をもたらした地下水が流域内にて涵養されたものであることを示唆している。 これまで、都市域の対流圏における代表的な大気汚染物質である二酸化窒素(NO_2)、および浮遊粒子状物質(エアロゾル)の光学的リモートセンシングによる長距離測定手法として、既存の白色点滅灯である航空障害灯を利用した差分吸収分光(Differential Optical Absorption Spectroscop, DOAS)法による測定を行ってきたが、夜間は赤色灯に代わるために測定が昼間に限られ、航空障害灯がない場所での測定が行なえないという制限があった。PCプロジェクタは比較的安価で信頼性の高い白色光源としての連続運用が可能であり、DOAS光源として有用性が高い。本研究では、プロジェクタを光源として利用するDOAS法を提案し、ソウル市、長野市、千葉市で都市域における大気汚染物質の24時間連続測定を行い、解析結果と大気地上測定局における観測データを比較することにより、DOAS法の信頼性が検証された。よって、SO_2についてはキセノンフラッシュランプを用いた専用光源を用意することによってDOAS方式での24時間連続観測が可能となり、火山ガスが火山噴出物表層部に及ぼす影響を時空間的に把握できる。
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