2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス燃焼由来の含酸素揮発性有機化合物の炭素同位体的特徴づけ
Project/Area Number |
19510005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 桂太 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科(研究院), 助教 (70323780)
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Keywords | 酸素揮発性有機化合物 / SPME-GC-C-IRS法 / バイオマス燃焼 / 安定炭素同位体比 |
Research Abstract |
近年、対流圏大気中に含酸素揮発性有機化合物(oxygenated volatile organic compounds:OVOC)が観測されるようになり、非メタン炭化水素(NMHC)と比較した場合のOVOCの存在量の多さ、反応性の高さ、またNMHCがOHラジカルとの反応を通じてすばやく大気中でOVOCになることなどから、OVOCの対流圏大気中反応性微量成分としての重要性が認識されるようになってきた。大気微量成分の動態把握に安定同位体比が有効であることは認識されているが、OVOCについて安定同位体比が計測された例は限られている。これは迅速・簡便かつ高精度な計測法が確立されていないためである。本研究では、マイクロ固層抽出法(SPME)とガスクロマトグラフィー-燃焼-同位体比質量分析法(GC-C-IRMS)を組み合わせた、OVOCの安定炭素同位体比計測技術を開発し、対流圏大気中のOVOCの主要な発生源と考えられているバイオマス燃焼から放出される、OVOCの炭素同位体的特長付けを行うことを目的としている。20年度では、開発した方法をバイオマス燃焼模擬実験で得られた大気試料に適用し、メタノールの炭素同位体比の特徴づけを行った。結果、バイオマス燃焼で放出されるメタノールの炭素同位体比は、基質である燃材の炭素同位体比と燃焼効率によって支配されていることが明らかになった。燃材となる植物分布およびその同位体比、バイオマス燃焼による植物燃焼量、燃焼効率および燃焼によって放出されるメタノールの放出量については全球分布推定値があるので、それらを利用してバイオマス燃焼によって放出されるメタノールの全球代表値を-33‰と推定した。この値から、バイオマス燃焼由来のメタノールが、植物から直接放出されるメタノールと同位体的に区別が可能であることが明らかになった。また本研究で推定した全球代表値は、OVOCを含む微量気体の大気循環モデル計算のパラメーターとして有効である。
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Research Products
(1 results)