2008 Fiscal Year Annual Research Report
池沼の藻類種の構成を積極的に改善する沈水植物帯の再生のための基礎的研究
Project/Area Number |
19510008
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中井 智司 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80313295)
|
Keywords | アレロパシー / 植生浄化 / 藍藻類 / 増殖抑制 |
Research Abstract |
ホザキノフサモのアレロケミカルである脂肪酸(ノナン酸、オレイン酸、ペトロセリン酸)について、栽培液中の同物質の濃度の経時変化を分析し、各々の放出速度を把握した。放出速度は十〜百ng/(g-wet・hr)オーダーであった。これによりホザキノフサモのアレロケミカルである脂肪酸やポリフェノール((+)-カテキン、エラグ酸、オイゲニン、没食子酸、ピロガロール)の放出速度が把握できたため、これらの放出速度に基づいて脂肪酸とポリフェノールをシアノバクテリア(Microcystis aeruginosa)の培地に連続添加し、ホザキノフサモからのアレロケミカルの放出を再現した状態でM. aeruginosaの増殖への影響を評価した。その結果、M. aeruginosaの増殖が抑制されること、脂肪酸とポリフェノールによってホザキノフサモのM. aeruginosaに対するアレロパシーを概ね説明しうることを見出した。さらに、これらアレロケミカルの緑藻Chlamydomonas monadina、珪藻Cyclotella meneghinianaへの増殖抑制効果を評価した結果、C. monadina、 C. meneghinianaよりもM. aeruginosaの方がアレロケミカルに対して敏感であり、M. aeruginosaの増殖を抑制するレベルのアレロケミカルを加えても、効果が現れないこともあった。
|