2007 Fiscal Year Annual Research Report
単成分対流圏模擬粒子と実大気エアロゾル粒子上でのHO2ラジカル取り込み係数の測定
Project/Area Number |
19510026
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
金谷 有剛 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球環境フロンティア研究センター, 主任研究員 (60344305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒崎 雄一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, サブリーダー (80286640)
|
Keywords | HO_2ラジカル / 不均一反応 / 取り込み係数 / エアロゾル / 実大気試料 / 地球変動予測 / 大気現象 / 環境質定量化・予測 |
Research Abstract |
対流圏におけるHO_2ラジカルの消失過程として、エアロゾル粒子上での不均一反応取り込み過程が果たしている役割を明らかにすることを目的とし、エアロゾル粒子によるHO_2取り込み係数γの測定実験を行った。エアロゾルフロー反応管とHO_2ラジカル発生部分を製作し、発生させたエアロゾル粒子との反応によるHO_2濃度の減衰をレーザー誘起蛍光法によるOH/HO_2ラジカル測定装置を用いて測定した。この装置では、実大気中に近いHO_2濃度条件においてγ値を測定することが可能である。都市大気・海洋性大気・バイオマス燃焼の影響を受けた大気中のエアロゾル粒子における代表的な成分である(NH_4)_2 SO_4、NaCl、レボグルコサン等をそれぞれ蒸留水に溶解し、アトマイザを用いて各単成分のエアロゾル模擬粒子を発生させ、湿度・状態別にHO_2のγ値を測定した。乾燥状態の(NH_4)_2 SO_4によるHO_2のγ値は相対湿度20%,45%でそれぞれ0.04±0.02,0.05±0.02であったが、NaClでは相対湿度20%,53%でそれぞれ<0.01,0.02±0.O1であった。一方、液滴状態の(NH_4)_2 SO_4では、γ値は相対湿度の上昇に伴って0.11±0.03(相対湿度=45%)から0.19±0.04(相対湿度=75%)へと増大する傾向を示したが、NaClでは湿度とともに増大する傾向はなかった。また、銅(II)イオンの添加によって、γが適応係数αに近づくことを確かめた。これらの結果から、エアロゾル化学成分・相対湿度・エアロゾル粒子の相状態がHO_2のγ値を決定する上で重要であることが示唆された。また、ハイボリウムサンプラを用い、横須賀・中国北京市蠎山にてエアロゾル粒子をフィルター上に捕集し、実験室で水抽出後、実大気エアロゾル粒子を再生し、上記と同様の方法でγ値を測定した。
|
Research Products
(5 results)