2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510036
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石原 陽子 Kurume University, 医学部, 教授 (50203021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 啓美 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 教授 (90189465)
新井 雅隆 群馬大学, 工学部, 教授 (80112176)
田中 永一郎 久留米大学, 医学部, 教授 (80188284)
長谷川 豪 久留米大学, 医学部, 助教 (80383751)
西 芳寛 久留米大学, 医学部, 講師 (20352122)
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Keywords | ナノ粒子 / 脳・神経 / 嗅球 / ナノサイエンス / ナノテクノロジー / 中枢神経 / リスク評価 / 嗅神経 |
Research Abstract |
大気中粒子状物質の健康影響に関する研究から、吸入粒径が小さなものほど鼻腔や肺胞に沈着し、微小(ナノ粒子)ゆえに一部は嗅神経から嗅球・大脳へ、一部は肺胞から循環血液中に逸脱して脳関門を通過し、脳に移行することが示唆されている。しかしながら、その詳細については未だ十分に解明されていない。そこで、嗅球神経の自己回帰性シナプスを用いてテトロドトキシン存在下で微小興奮性シナプス後電流へのナノ粒子の影響について検討した。物理的粒径20nmの酸化チタン1μ-10μg/mlでは、一時的なNaチャンネルの抑制と延長を認めたが0.5μg/mlでは影響を認めず、粒径14nmのcarbon粒子Printex 90 0.5μg/mlでも明確な影響を示さなかった。一方、マウス脳細胞アストロサイトとミクログリアの培養細胞を用いてLDH漏出試験を行なったところ、粒径20nmと100nmの酸化チタンでは影響を認めないが、Printex 90の0.5-2.0μg/mlで濃度依存性の細胞障害を認めた。これらの結果は、ナノ粒子点鼻マウス嗅球組織の電顕像より得られた結果と一致しており、ナノ粒子は神経細胞よりむしろアストロサイトやミクログリアなどの貪食細胞に取り込まれ無毒化される可能性と、細胞毒性にはナノ粒子の化学的、形状特性が関与する可能性が示唆された。 ナノ粒子の血液を介した体内動態を探る為に、粒子径、表面荷電状態、形状が異なるナノ粒子を用いて、小動物用CTスキャンで臓器特性を検討中である。一方、毒性評価法としての鼻部暴露法と気管内投与法を比較するために、新規に粒径10-500nm小動物用ナノ粒子暴露装置を作成し、現在その微調整と評価実験を実施中である。
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