2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域共同体によるアジア型沿岸資源管理の段階的発展過程
Project/Area Number |
19510043
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
川邉 みどり Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 准教授 (80312817)
|
Keywords | 沿岸資源管理 / 漁民 / エンパワメント / 協働管理 / アジア |
Research Abstract |
1. 北海道厚岸町(3回)および別海町(2回)における現地調査の実施 厚岸湖(厚岸町)、野付半島(別海町)のラムサール条約登録に至る過程、とくに、漁業と自然保護とのかかわりに焦点を絞って、行政機関、漁業関係者、自然保護関係者に聞き取り調査をおこなった。この分析から、財源移譲を伴う分権化なく市町村自治体が沿岸域保全を進めていくことの困難さを具体的に示した。この結果は、2008年6月〜7月に米国で開催された沿岸域学会で発表した。また、行政-産業間など異なるセクター問で環境情報と認識の共有することは難しく、このギャップを埋めるような活動が、今後、住民参加型の沿岸環境管理を進めていく上での必要であるとの結論を得た。 2. マレーシア国ペナン州 現地調査の実施 マレーシア国ペナン州において、零細沿岸漁民組織PIFWAの活動状況を中心に、沿岸漁業に関わる行政機関、研究機関、トロール船オーナー、PIFWA以外の零細漁業者などに聞き取り調査をおこなった。零細漁民のエンパワメントのゴールが沿岸資源の協働管理と考えると、成立から14数年たって、漁民組織として成熟しつつあるPIFWAは、その途上にある。今後の課題は、政府機関のみならず、競合するトロール船や養殖場との対話と、組織としての経済活動の多角化であろうと考える。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Education for Sustainable Development for Tokyo Bay : Developing a Practice Framework of University-based Coastal ESD2009
Author(s)
Midori Kawabe, Hiroshi Kohno, Takshi Ishimaru, Osamu Baba, Naho Horimoto, Reiko Ikeda, Jota Kanda, Takafumi Kudoh, Masaji Matsuyama, Masato Moteki, Yayoi Oshima & Tsuyoshi Sasaki
-
Journal Title
Marine Policy 33
Pages: 720-725
Peer Reviewed
-
-
-
-
-