2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510059
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊藤 敦 Tokai University, 工学部, 教授 (80193473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 千恵子 東海大学, 医学部, 講師 (50307295)
平山 亮一 独立行政法人放射線医学総合研究研究員所, 重粒子医科学センター, 研究員 (90435701)
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Keywords | 高LET放射線 / 間接作用 / 酸化損傷 / 酸素効果 / トラック構造 / 8-oxoG / 8-OHdG / 蛍光抗体法 |
Research Abstract |
高LET放射線の生物作用は、一般に直接作用が主であると考えられている。しかしながら、申請者らの研究も含めて数百keV/μmという高LET領域でも細胞死に対する間接作用の寄与は50%を超えるという報告もなされている。このような背景から、高LET放射線の作用を理解し放射線治療に応用するには、間接作用、言い換えるとラジカル損傷の評価を行うことが重要と考えた。さらに、ラジカル損傷は高LETで酸素効果が減少する機構にも関与していることが示唆されている。本研究の具体的目標として、その生成に間接作用の主原因であるOHラジカルと酸素が関与するDNA酸化損傷、8ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)に着目し、LET及び酸素依存性を検討した。結果として、常酸素下での8-OHdG生成はLET増加とともに減少したが、低酸素下での生成は、高LETでは飽和現象を示し、用いた最も高いLETである440keV/μmではむしろやや増加の傾向が見られた。これは低酸素下でもトラックに沿って分子状酸素が生成されるというoxygen in the track modelと矛盾しない結果となった。また、8-OHdG生成の酸素増感比(OER)は粒子種によって大きく異なることも判明した。この結果は、粒子のトラック構造の違いを反映していると考えられる。トラック構造に関連した今年度の第2の目標として、8-OHdGの細胞内分布を可視化するための蛍光抗体法の条件設定を行った。X線による予備実験では核内に集積する分布が得られ、高LET放射線に適用できる段階となった。
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Research Products
(5 results)