2007 Fiscal Year Annual Research Report
M期にDNA損傷を受けた細胞での新規損傷チェックポイントの研究:TLK1の役割
Project/Area Number |
19510060
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
橋本 光正 Kanazawa Medical University, 医学部, 助教 (70293975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩淵 邦芳 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (10232696)
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Keywords | PKU-β / TLK1 / RNAi法 / 倍数性の異常 / 中心体 / 姉妹染色分体 / Myosin II regulatory lieht chain |
Research Abstract |
PKU-β/TLK1(Gene202,193-201)は、クロマチン再構成、DNA複製、細胞分裂に関与するセリン/スレオニンキナーゼである。私は、PKU-β/TLK1の発現をRNAi法で抑制すると、(1)増殖速度の低下、(2)倍数性の異常が誘導されること、さらに免疫染色実験から、(3)中心体の両極への移動が抑制されること、(4)姉妹染色体の不均等な分裂が誘導されることを発見した。PKU-β/TLK1の発現抑制とこれらの現象の関わりを検討するために、ウエスタンブロット法で解析すると、PKU-β/TLK1枯渇細胞では、中心体分離と両極移動を担うMyosin II Regulatory Light Chain(MRLC)のリン酸化(Ser19/Thr18)が抑制されていることを見出した。MRLCの機能不全と細胞分裂の異常の関係を調べるために、野生型のMRLC(WT-MRLC)、非リン酸型のMRLC(AA-MRLC)、リン酸基擬態型のMRLC(DD-MRLC)をプラスミド構築し、PKU-β/TLK1枯渇細胞に導入した。その結果、DD-MRLCを導入したPKU-β/TLK1枯渇細胞のみ、倍数性の異常、中心体の両極への移動の抑制、姉妹染色体の不均等分裂が劇的に減少した。以上の結果から、PKU-β/TLK1は、MRLCのリン酸化を通じて、細胞分裂時の染色体分配の正確さを保障する機構に重要な役割を果していると考えられる。
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