2008 Fiscal Year Annual Research Report
メチル水銀は児脳における甲状腺ホルモンの活性化を阻害し脳の発達を障害する?
Project/Area Number |
19510065
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 克己 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (90166942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 弘毅 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80301050)
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Keywords | メチル水銀 / 甲状腺ホルモン / 脱ヨード酵素 |
Research Abstract |
方法 胎児大脳より既報の方法(Endocrinology 137:1313-1318, 1996)で得たアストロサイトを10%牛胎児血清(FBS)を添加したDMEMをいて培養した。培地にD3 inducerであるphorbol ester(TPA)またはT3、あるいはメチル水銀(MeHg)を添加し、D3遺伝子発現をGAPDH遺伝子を対照としたreal-time PCR法で解析した。T3添加実験ではCharcoal-dextranで甲状腺ホルモンを除去したFBSを加えたDMEMを用いた。 結果 既報のようにアストロサイトのD3遺伝子発現100 nM TPA(3時間後に未刺激細胞の約14倍)、10 nM T3(2日後に約11倍)で誘導された。3μM MeHgは時間依存性にD3遺伝子発現を増加させた(1日後約11倍、2日後約33倍)。MeHgがどのような細胞内情報伝達系を活性化するかを明らかにするため、アストロサイトをMeHgで刺激し、ERK1/2及びp38MAP kinaseの活性化をwestern blot法で検討した。その結果MeHgはERK1/2を活性化するが、p38 MAP kinaseはほとんど活性化しないことが示された。現在ERK1/2阻害薬の存在下で細胞をMeHgで刺激し、D3遺伝子発現の誘導が阻害されるかを検討中である。
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