2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510077
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Research Institution | Corporate Research & Development Center, Toshiba Corporation |
Principal Investigator |
石原 美津子 (菅野 美津子) Corporate Research & Development Center, Toshiba Corporation, 機能材料ラボラトリー, 主任研究員 (10374076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍尸 知行 国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (80321701)
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Keywords | ダイナキシン / アリルハイドロカーボン受容体 / 内分泌かく乱物質 / 神経毒性 / チロシン水酸化酵素 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
ダイオキシンなどの有害化学物質が、神経系の発達に与える影響はほとんど明らかになっていない。これらの化学物質はアリルハイドロカーボン受容体(AhR)の結合と活性化を介して様々な遺伝子の転写に影響を与える。本研究では、ドーパミン生合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素(TH)遺伝子が、AhRを介してダイオキシン類によって異常な転写誘導されることに注目し、THプロモーターの活性化を指標として、ドーパミン神経機能の発達における活性化AhRの役割を解明する。平成19年度は、AhR活性化に基づくTHプロモーターの活性化を可視化するin vivoモニターマウス個体およびin vitro評価細胞系を構築した。 (1)in vivoモニターマウス THエンハンサー/プロモーターにルシフェラーゼを連結したレポーターコンストラクトをC57BL/6マウスに組み込んだトランスジェニックマウスを作製した。同マウスにダイオキシン模擬物質としてβナフトフラボンを腹腔内投与しTHプロモーターの活性をIVISを用いて解析を行ったところ海馬、中脳付近、視床下部において発光の増加が認められた。また同マウスの胎児脳から採取した初代培養神経細胞に対し、TCDDの投与を行ったところ、3倍以上の発光の増加が認められた。 (2)in vitro評価細胞系 トランスジェニックマウスのE15胚から、神経幹細胞(NSC)の表面抗原であるProminin-1の抗体を固定した磁気マイクロビーズカラムを用いてNSCを分離した。分離したNSCにT抗原遺伝子を導人した細胞を作製し、TCDDを曝露したところ発光の増加が認められた。 これらの結果から、これらのトランスジェニックマウスおよび細胞は、有害化学物質投与環境下でのTHプロモーター活性解析に使用可能であることが示された。
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