2008 Fiscal Year Annual Research Report
多段連続培養を利用した嫌気性微生物叢の階層的共生機構の解明とメタン生成の高効率化
Project/Area Number |
19510079
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
菊地 賢一 Akita University, 工学資源学部, 教授 (80108919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 猛 秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (10215494)
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Keywords | 嫌気性細菌 / メタン生成アーケア / エネルギー回収 / 汚泥消化 |
Research Abstract |
余剰汚泥や都市型生ゴミなどを嫌気的な微生物群により分解してメタンを回収する取り組みが行われている。本研究は, この嫌気的な汚泥消化・メタン生成プロセスにかかわる微生物叢を三つの微生物群(加水分解細菌群, 水素酢酸生成細菌群, メタン生成アーケア群)に大別し, 多段連続培養によって嫌気性微生物の共生関係に関する情報を得て高効率なメタン生成プロセスの設計を目指したものである。 容量2Lの培養槽3基を並列に並べ, 温度42℃, 滞留時間15dで2ヶ月間連続運転を行った。菌叢, COD, メタン発生量が安定した後, 培養槽を直列に連結し, 滞留時間を10dに低下させて3段直列連続培養を行った。その結果, メタン濃度は一段目培養槽では約70%で定常になり, 二段目と三段目では一段目より少し遅れてそれぞれ約45%と20%の定常値となった。CODも下流槽になるに従って低下し, 3段目では50mg/mlであった。これは, 流速が遅い並列培養での値とほぼ等しく, 多段直列培養によって効率が約50%上昇することが分かった。直列運転開始前と開始後67dにおける各槽のバクテリアおよび種々メタン生成アーケアの分布を16SrRNA遺伝子のreal time PCRコピー数から解析したところ, CODやメタン発生量に大きな差があるにもかかわらず, 各培養槽に顕著な差は認められなかった。今後, 培養をさらに継続すると共に, 培養温度を変化させて状況を観察する必要がある。一方, 200ml小型培養器を用いて嫌気汚泥の静置培養を行い, これに増殖速度の速い外来のメタン生成アーケアMethanothermococcus oklnawensisの移植を試みたところ, メタン蓄積量の増加が観測された。さらに, T-RFLPで分析したところM. okinawensisの増殖が確認できた。今後, 多段直列培養槽への移植によるプロセスの効率化を検討する。
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Research Products
(3 results)