2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的微生物群集構造解析ツールを用いたテトラクロロエチレン汚染サイトの診断
Project/Area Number |
19510085
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高見澤 一裕 Gifu University, 応用生物科学部, 教授 (00159005)
|
Keywords | テトラクロロエチレン / テトラクロロエチレン分解菌 / DNAマイクロアレイ / DGGE / 微生物群集 / バイオレメディエーション |
Research Abstract |
PCEおよびその関連物質分解菌の網羅的検出方法としてDNAマイクロアレイを作製して実際の汚染サイトに適応した。検出対象細菌は、PCEを完全にエテンまで脱塩素化するDehaloccoides ethenogenes195はじめPCE部分分解細菌22株と2種類のPCEデハロゲナーゼ遺伝子である。細菌検出用アレイは、ITS領域を用いてプローブを設計した。ハイブリダイゼーションは競合ハイブリダイゼーションにて行い、必要に応じてLATE-PCRを応用した。検出限界は10コピーである。このDNAマイクロアレイを用いてPCE汚染サイト22箇所、87サンプルを分析した結果、D. ethenogenes195は11汚染サイト18サンプルから検出された。一番多く検出されたのはPCEをDCEに脱塩素化するClostridium formicoaceticumで、13汚染サイト25サンプルから検出された。あるサイトでのバイオレメディエーション前後の解析では、土壌地下水とも同じ傾向を示し、栄養源注入後PCE分解菌群は飛躍的に増加した。特にPCEをDCEに脱塩素化するSulfurospirillum multivorans, Desulfovibrio baculatus, Cl. formicoaceticum, Dehalobacter restricusの増加が著しかった。また、DGGEによる汚染サイト微生物群集解析では特定の門に属する微生物が栄養源注入で優占する傾向が見られた。現在は、PCEデハロゲナーゼ遺伝子の検出も行いつつあり、これらのDNAマイクロアレイ技術等を利用したバイオレメディエーションの普及を望んでいる。
|
Research Products
(3 results)