2009 Fiscal Year Annual Research Report
鉄・マンガン酸化細菌群集による微量金属の除去機構と地下水浄化技術への応用
Project/Area Number |
19510091
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
宮田 直幸 Akita Prefectural University, 生物資源科学部, 准教授 (20285191)
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Keywords | マンガン酸化細菌 / 難培養 / 集積培養 / 微量金属イオン / 重金属 / 微生物群集 / 汚染地下水 / 水質浄化 |
Research Abstract |
鉄・マンガン酸化集積培養系による微量金属回収プロセスにおける微生物群集の役割を明らかにするため、前年度に分離された新規マンガン酸化細菌(I株)の増殖特性や微生物生態について調査した。本菌は酵母様微生物共存した状態で得られ、単離して純粋培養することは困難であったが、Escherichia coliやBacillus subtilisなど種々のグラム陰性・陽性細菌との共存下で増殖してマンガンを酸化することがわかった。また細菌のほか、Aspergillus niger等真菌の共存下でも増殖した。前年度の16SrDNA-クローンライブラリー解析により、本菌(または近縁種)がマンガン酸化集積培養系の主要構成細菌群の一つであることが示唆されたが、多様な微生物共存下で増殖することから、微生物集団の中で生残し易い特性をもつと推察された。16S rDNAに基づく分子系統樹を作成した結果、本菌はα-プロテオバクテリア綱に属するが、未培養の種々の環境クローン配列と独自のクラスターを形成した。この細菌群をPCR検出可能なプライマー配列を決定し、鉄・マンガン酸化集積培養系からの検出を行ったところ、近縁種が存在することが明らかになった。さらに河川床のマンガン沈積物など幾つかの環境試料からも検出され、この細菌群が自然環境中に広く分布し環境中でのマンガン動態に関与する可能性が示された。本研究により、本菌とその近縁種が重要な機能をもつことが初めて明らかになり、鉄・マンガン酸化集積培養系による金属回収においては、この細菌群の挙動に着目しながらプロセスの管理を行うことが重要であると考えられた。
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Research Products
(3 results)