2007 Fiscal Year Annual Research Report
水銀、カドミウム等重金属ファイトレメディエーションのためのバイオエンジニアリング
Project/Area Number |
19510094
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
清野 正子 Kitasato University, 薬学部, 講師 (30239842)
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Keywords | 環境技術 / 土壌汚染防止・浄化 / 有害化学物質 / 植物 / 育種学 / 土壌汚染 / ファイトレメディエーション |
Research Abstract |
本研究では、毒性が軽減された形の重金属を植物に高蓄積させるための新規バイオエンジニアリングを施すことにより、汚染地域の浄化と重金属のリサイクルを目指した次世代型低負荷環境修復技術を確立することを目的とした。トランスジェニック植物の作出に際しては、(1)微生物由来の重金属トランスポーターの植物細胞膜局在化及び重金属輸送能の付与、(2)微生物由来の重金属トランスポーターの植物解毒器官である液胞膜局在化及び重金属液胞隔離(高蓄積)能の付与という二段階構想をもっている。本年度は、微生物由来の重金属トランスポーター(MerC)とシンタキシン(Sso1p,Vam3p)融合タンパク質が酵母内にソーティングされるターゲット器官を検証すると同時に重金属耐性、重金属蓄積性を評価し、種々の融合タンパク質から浄化に最適な候補タンパク質を選抜した。水銀及びカドミウムのトランスポーターのMerCがヘソーティングされるターゲット器官をGFP-MerC融合タンパク質を用いて検証したところ、大部分は小胞体に局在した。微生物内でのMerCの発現部位は細胞膜であるので、微生物と酵母では目的タンパク質の局在が異なることが明らかになった。一方、GFP-MerC-Sso1pは細胞膜、GFP-MerC-Vam3pは液胞膜にそれぞれ局在した。シンタキシンを融合させることで、細胞膜及び液胞膜ヘトランスポーターを標的化するエンジニアリングが成功したと考えられる。次に機能解析について、MerC-Ssolpを高発現させた酵母においては有意に放射性カドミウムを高蓄積することが明らかとなった。本年度の酵母でのプレ実験を経て、来年度のトランスジェニック植物作出および機能解析・重金属浄化実験へ移行させる予定である。
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