2008 Fiscal Year Annual Research Report
有用石油分解菌の培養制御技術の開発と海洋石油汚染浄化への応用
Project/Area Number |
19510095
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩淵 範之 Nihon University, 生物資源科学部, 講師 (90328708)
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Keywords | 海洋石油汚染 / Cycloclasticus / プロテオーム / 多環芳香族炭化水素 / バイオリメディエーション / ゲノム / PAHsダイオキシゲナーゼ |
Research Abstract |
Cycloclasticusは海洋性の多環芳香族炭化水素(PAHs)分解菌であり、PAHsで汚染された海水中で優占種となる有用な石油分解菌である。本研究では、海水中の複合微生物系の培養を制御し、Cycloclasticusの石油分解活性を効果的に誘導する技術を開発するため、同菌のPAHs分解活性をプロテオーム解析により明らかにすることを目的とする。 炭素源として5種類の純品のPAHsを用い、それぞれを唯一の炭素源とした培養系にCycloclasticus sp. S-4株を摂取し培養した。これらのサンプルから、菌体を回収し、totalタンパク質を抽出し、SDSPAGEで電気泳動した。その結果、添加したPAHsの違いによるバンドパターンの差は確認できなかった。その後、各ゲル片を切り出し、トリプシンで処理したサンプルをLC-MS/MSに供し、本条件下で発現しているタンパク質の部分アミノ酸配列を取得した。得られたアミノ酸配列情報は自動的に相同性検索に供され、タンパク発現プロファイルを得た。その結果、供試した全ての全てのPAHsで発現の確認された3つのPAHsダイオキシゲナーゼを明らかにし、そのオペロンを特定した。一方で、供試した条件では発現の確認できなかった3つのPAHsダイオキシゲナーゼを明らかにし、そのオペロンを特定した。また、新たにPS-1株、S-3株のゲノム情報を加え、プロテオーム解析を行ったところ、供試した全ての条件で発現されたPAHsダイオキシゲナーゼを特定した。以上のことから、同菌が優先的に利用するPAHsダイオキシゲナーゼが特定できた。
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Research Products
(4 results)