2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510098
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Research Institution | National Fisheries University |
Principal Investigator |
前田 和幸 National Fisheries University, 海洋機械工学科, 教授 (30399638)
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Keywords | 小型漁船用ディーゼル機関 / PM(粒子状物質) / PM低減装置 / 大気環境保全 |
Research Abstract |
最高使用温度1260℃、平均繊維径2.8μmの耐熱材料を50メッシュのステンレス製ネットで挟む構造の、寸法が250mm×215mmのPM低減フィルタを2組作製した。また、直径1.4mmのヒーター線を、直径6mm×長さ250mmのコイル状に巻き、これを14本横に並べた、寸法が250mm×250mmの平板状のPM再生用ヒーターを2組作製し、これらを一体化したPM低減装置を作製した。このPM低減装置を、実験室に設置された103kW、2400rpmの小型漁船用ディーゼル機関の排気管に取り付け、排気圧力の上昇がエンジン性能に及ぼす影響、PMの低減効果、PM低減フィルタの再生能力等を明らかにする実験を行った。その結果、次の事項が明らかになった。 1.フィルタを設置することにより、排気圧力が0.14MPa上昇した場合、燃費が約5%悪化する。 2.PM低減フィルタにより、排ガス中に含まれるDry Sootをほぼ100%捕集できる。 3.捕集後、排気の流れを遮断して(排気の経路を切り替えて)、PM低減装置の内部温度を800℃に2分間保つことにより、PM低減フィルタ上に捕集されたPMはほぼ100%消失する。 これらの結果から、本装置を小型漁船の排気管に取り付け、作動側フィルタが目詰まりを起こす前に切り替え、PM再生用ヒーターによって捕集されたDry Sootを燃焼により消滅させることによりフィルタが再生され、連続して使用できることが明らかになった。今後は、実船を用いた実証試験を行い必要な改良を行う必要がある。
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