2008 Fiscal Year Annual Research Report
スパッタリング法を用いた光触媒-アパタイト薄膜の開発と消臭・抗菌材への応用
Project/Area Number |
19510099
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
尾関 和秀 Ibaraki University, 工学部, 准教授 (20366404)
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Keywords | 消臭 / 酸化チタン / 可視光反応型光触媒 / スパッタリング |
Research Abstract |
本年度は、スパッタリング法により作製したアパタイト(HA)/可視光反応型複合薄膜の開発を目指し、高分子材料上へのTiO2コーティング及び可視光反応型光触媒薄膜の作製とその性能に関して、実験、分析を行った。 高分子上へのTiO2コーティングでは、昨年度と同様に粉末TiO2をターゲットとして、ポリプロピレン(PP)上へのコーティングを試みた。しかし、成膜電力を25Wとしても、基盤温度が40分で110℃に達っするなど急激な温度上昇が認められたため、Tiをターゲットとして酸素による反応性スパッタリングに切り替えた。反応性スパッタリングにより、成膜電力を100W、流量比Ar:O2=7:3とすることで、基盤温度を100℃以下にすることに成功し、0.5μmのTiO2コーティングが可能となった。また、PP上にTiO2をコーティングし、ホルマリンガスによる消臭機能について検討を行った。その結果、紫外線照射40時間後に、ガス残存量が17%となり、光触媒機能を有することが明らかとなった。この結果は、これまで行ってきた粉末ターゲットコーティング後のポストアニーリングが不要となり、高分子上においてHA/光触媒複合膜の成膜が可能であることが明らかとなった。今後は高い光触媒効果の得られるコーティング条件の検討が必要である。 また、可視光反応型光触媒薄膜の作製においては、窒素ドープ型TiO2薄膜の作製・評価を行った。様々な窒素ドープ量で検証した結果、窒素ドープ量4.5%で当ポストアニーリング処理を行ったものがもっとも可視光下において光触媒活性を示すごとが明らかとなった。
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