2008 Fiscal Year Annual Research Report
ライフサイクルアセスメントに基づく鉛フリー快削銅合金の開発
Project/Area Number |
19510101
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
末吉 秀一 Kagoshima University, 理工学研究科, 教授 (70041548)
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Keywords | 鉛フリー銅合金 / 硫化銅 / ライフサイクルアセスメント / インベントリ分析 / 地球温暖化 / 酸性化 / エネルギー資源の消費 / 金属資源の消費 |
Research Abstract |
二硫化モリブデンを青銅溶湯に添加すると、二硫化モリブデンと銅が反応し、硫化銅が均一に分散した青銅が得られること、この青銅は従来の鉛フリー青銅と同等の被削性や機械的性質を有していることが明らかになった。これらの結果は「銅と銅合金」に2編の論文として掲載された。それらの英語論文は「Materials Transactions」2009年4月号に掲載されることになっている。 一方、新しく開発したこの新しい鉛フリー青銅の生産システムが、従来の含鉛青銅やビスマス等の希少金属を含む現有の鉛フリー青銅の生産システムに比べて地球環境への負荷が小さいか否かを検証するため、ライフサイクルアセスメント手法を用いてインベントリ分析を行い、地球環境への影響について定量的に評価した。その結果、ビスマスを含む現有の鉛フリー青銅から硫化銅を分散させた新しい鉛フリー青銅に移行すると、地球温暖化、酸性化、エネルギー資源の消費および金属資源の消費のいずれにおいても大幅に低減されることが明らかとなった。これらの結果は平成20年11月22日に開催された銅及び銅合金技術研究会講演会で講演発表した。その後、論文としてまとめ、「銅と銅合金」に投稿したところ、受理され、近く掲載される予定である。 以上のように、地球環境への負荷の小さな新しい鉛フリー快削青銅の開発に成功した。
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Research Products
(4 results)