2009 Fiscal Year Annual Research Report
形態制御された希土類ナノキューブの会合体形成および光機能材料への展開
Project/Area Number |
19510104
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
長谷川 靖哉 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 准教授 (80324797)
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Keywords | ナノ結晶 / 会合体 / 自己組織体 / 希土類 / ユーロピウム / カルコゲナイド / 光散乱 / ポリマー |
Research Abstract |
形状制御させた磁性半導体EuXナノ結晶は縮退した4fと5d軌道からなる伝導体との間の電子遷移により、大きな光磁気効果(ファラデー効果)を発現する。ここで、このEuXナノ結晶の会合体を形成することにより、スピンやエキシトンなどの相互作用によって、その光磁気特性が変化することが期待される。本研究では、形状制御されたEuSナノ結晶の溶液中における会合体形成およびその光磁気特性評価を行った。 まず、立方体型に形状制御された粒径14nmのEuSナノ結晶を作製し、アルコール溶液中に置ける会合体形成を試みた。光散乱測定(DLS測定)の結果、溶媒となるアルコール分子の極性が高いものほど、溶液中におけるEuSナノ結晶の会合体サイズが大きくなることが分かった(1-オクタノール : 100nm、1-ヘキサノール:500nm、1-ペンタノール:800nm)。さらに、合成時にEuS表面に存在するオレイルアミンがアルコール分子によって置換されていることが明らかとなった。 次に、可視光領域において光散乱が起こらない1-オクタノール中のEuSナノ結晶会合体の磁気円二色性スペクトル測定(MCD測定)を行ったところ、会合体を形成しないトルエン溶液中のEuSナノ結晶に比べて、スペクトルが長波長シフトすることが分かった。これは、会合体形成にともなうEuSナノ結晶間の誘電率変化および励起し相互作用によって、4f-5d間のバンドギャップエネルギーが変化したためと考えている。 本検討により、EuSナノ結晶の自己会合体形成にともなう特異的な光磁気物性が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)