Research Abstract |
1.アントリルデンドロンの目己組織化により形成される光応答性ヒドロゲル 末端に糖を導入したアントリルデンドロンがヒドロゲルを形成することを見出した。これは,デンドリマー骨格中に光機能性官能基を導入したヒドロゲルの初めての例となった。興味深いことに,得られたヒドロゲルに光照射を行うと,アントラセンの光二量化反応がゲル中で立体選択的に進行し,ゲルからゾルへの転移が起こることがわかり,光応答性ゲルとしての用途が見出された。 《Organic and Biomolecular Chemistry,2008,6,3843-3847》 2,シアノビフェニル基を末端に持つフラロデンドロンの合成と液晶性 末端にメソゲン基としてシアノビフェニル基を導入したフラロデンドロンのサーモトロピック液晶性について詳細に検討し,フラーレン部位が2次元の高い結晶性を有するスメクチックB相を形成することを見出した。これまで,フラーレンにデンドリマー型置換基を導入した液晶性分子の報告例はあったものの,フラーレン同士の距離のコントロールが難しく,有機半導体材料への応用は困難であった。しかし,本研究において見出された液晶性フラーレン誘導体はフラーレンの2Dシート構造により,高い電荷移動度を持つことが期待される。 《繊維学会誌,2008,64(11),324-328》 3.デンドリマージスルフィドを触媒的に用いたアリルアルコールの光異性化 デンドリマーの特異な構造を利用することにより,アリルアルコールの光異性化に利用可能な触媒開発に成功した。 《Heteroatom Chenlistry,2009,20,1-11》 4.両親媒性デンドロンを利用した極性蛍光プローブの開発 溶媒の極性に応じたデンドリマーの分子集合状態の変化に起因して,アントリルデンドロンの蛍光強度が定量的に変化することを見出した。興味深いことに,水とアルコールの混合溶媒中で蛍光強度が直線的に変化し,アルコール中の水分の定量に利用できることを見出した。 《Okayama Daigaku Kankyo Rikogakubu Kenkyu Hokoku,2008,13(1),121-124》
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