2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510107
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
入江 晃亘 Utsunomiya University, 工学部, 准教授 (90241843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 銀一郎 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00006280)
北村 通英 宇都宮大学, 工学部, 准教授 (90161497)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / ジョセフソン接合 / スピン注入 / トンネル現象 |
Research Abstract |
本研究は,層状酸化物高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_y(BSCCO)に内在するナノ構造におけるスピン伝導に関連した量子輸送を制御・利用する超伝導スピントロニクスの創製を目指すものであり,本年度は,次の2項目を中心に研究を進めた.1)面積が数〜数10μm^2の磁性体/高温超伝導体構造の作製技術を確立する。2)作製した試料を用いてBSCCO固有ジョセフソン接合におけるスピン注入効果について調べる。得られた成果を以下に示す. 1)試料作製技術の確立 電子線リソグラフィ,フォトリソグラフィ,イオンエッチング技術を用いて面積25μm^2のCo(100nm)/Au(20nm)/BSCCOメサを作製すると共に,BSCCO単結晶薄片を上下両面から加工する両面加工技術によりCo(100nm)/Au(20nm)/BSCCO/Au(20nm)/Co(100nm)構造からなる試料の作製に成功した.作製した試料の無磁場における電流-電圧特性並びにその温度依存性は,BSCCO固有ジョセフソン接合単体の特性と同様であり,作製プロセスによる特性劣化がないことが確認された. 2)スピン注入効果の観測 作製した試料に磁場を印加し,Coが磁化される前後の臨界電流を比較したところ,Co磁化後の固有ジョセフソン接合の臨界電流は,Co磁化前のそれと比べ大きく減少することが観測された.この臨界電流の減少は,磁化されたCo膜からのスピン偏極電子の注入効果に起因していると考えられ,固有ジョセフソン接合を用いた新規なスピンデバイス開発の可能性が示された.
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Research Products
(11 results)