2007 Fiscal Year Annual Research Report
高分子カプセル内包金属ナノクラスターの精密調製と励起電子物性の研究
Project/Area Number |
19510109
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 章順 Kobe University, 工学研究科, 准教授 (40250667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 英洋 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60210259)
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Keywords | 金属ナノクラスター / デンドリマー / 電子構造 / 光電子分光 |
Research Abstract |
本研究ではまず第一に、中心の核から放射線状に規則的に枝分かれした様な樹木状の3次元的な高分子材料であるデンドリマーが、厳密に設計された立体分子構造と内部ナノ配位空間を有することから、分子構造的にも化学的にもwell-definedなテンプレートして作用し、かつ非常に安定であるという点に着目して、それらをテンプレートとして、粒径が2nm程度以下の超単分散(標準偏差が5-10%程度以下)の金属ナノクラスター試料の精密調製方法を確立することを目的とした。また調製した超単分散金属ナノクラスターについて、フェムト秒超短パルス光の位相制御を行った干渉型時間分解2光子光電子分光により、有機高分子カプセル内包ナノクラスター系におけるフェルミ準位近傍の微細電子構造(量子化電子構造)の直接観測、及び光励起により誘起されたエネルギー緩和(励起電子ダイナミクス)及び量子位相緩和(コヒーレントダイナミクス)の直接観測を試み、それらの電子物性に支配的に寄与するフェルミ準位近傍の微細電子構造と様々な多体効果の詳細について明らかにすることを第2の目的とした。本年度はまず第一の目的完遂のために、デンドリマー内包Auナノクラスターの液相調製に関して詳細な検討を行い、テンプレートしてOH終端ポリアミドアミンデンドリマーを用いて、OH基自身の還元能を用いた弱い還元反応による調製により、非常に高収率でデンドリマーに内包されたAu_<10>〜Au_<20>程度のナノクラスターを系統的に調製できることを見出した。またこの様に調製したデンドリマー内包Auナノクラスターが非常に高い量子効率で発光を示すことを見出した。
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