2007 Fiscal Year Annual Research Report
テトラポッド型接合を用いたナノチューブネットワークの構造探索と物性制御
Project/Area Number |
19510110
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
中田 恭子 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 講師 (20272742)
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Keywords | ナノ材料 / ナノチューブ・フラーレン / 炭素材料 / π電子状態 |
Research Abstract |
19年度は、テトラポッド型接合の構造を網羅的に発生させるためのグラフ理論的な解析を行った。その結果、螺旋対称性を持たない構造の中に、Diudeaグループで開発されたmap operation法では発生させることのできない一群が存在することが示された。また、それらは、我々が開発した手法で系統的に発生可能であることが示された。現在は、これらを統一的に解釈するための検討を行っている。 これまで発生させたものについては、構造とπ電子状態との関係を明らかにする目的で、強結合近似に基づく電子状態計算を行った。6員環ネットワークに7員環その他を導入することにより、構造上は「負の曲率」という特徴が現れる。これまで、ある特定のテトラポッド型接合のフェルミ準位に局在状態が出現することが示され、その起源が負の曲率にあるとする議論がParkらによってなされているが、負の曲率を持つ構造のすべてに局在状態が現れるわけではなく、本質的な議論には至っていなかった。今回、比較的小さなテトラポッド型接合について解析を行った結果、少なくともπ電子ネットワークのトポロジーからフェルミ準位近傍の局在状態を生じるものは、ある特定のグループのみであり、そのグループの構造上の特徴は、7員環の配置の対称性にあることが示された。さらに、負の曲率や7員環の配置とπ電子局在状態との関係を明らかにする目的で、テトラポッド型接合の1本の接合部を周期的に配置した構造を考案し、そのπ電子状態を解析した。その結果、7員環の配置にかかわらず、系を大きくすればフェルミ準位近傍にπ電子局在状態が出現し、その波動関数は7員環の周囲に局在することが示された。現在は、周期構造に必要な数より多い7員環を配置し、それを相殺するための正の曲率を導入した周期構造へと議論を拡張し、構造とπ電子局在状態との関係を調べている。
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